■活動の原点・目的

　この店は平成17年（2003年）に立ち上げました。
　元々私は仙台で洋菓子店を2店舗やっていたのですが、知人の事業を手伝おうと、仙台の店を閉めて亘理に 移り住みました。ところが色々な事情でこの事業から身を引くことになってしまったのです。
　さてどうしようか、と考えたのですが、せっかく縁があってやってきた亘理町ですから、改めてこの地でお菓子屋 をやろうと考えました。そこで店を開ける所を探し、他に洋菓子店の無いこちらの浜吉田地区の現在地に店を構 えることにしたのです。
　店の名前はフランスのリモージュ焼（陶芸）から取りました。私は美術品が好きなので、店内の装飾や壁の絵、 BGMはすべて私の好みになっています。
　私は顔に似合わずとよく言われますが、かわいいケーキを作るのが得意ですので、かわいいケーキを売ること が大きな方針の一つでした。加えて亘理町はいちごで有名な町ですから、地元産のいちごを上手に取り入れた 様々なお菓子を提供していくことも当店の基本理念になっています。
　開店に当たっては、地元亘理の人材をスタッフとして雇い入れることにしました。彼女たちの口コミが引き金に なり店は順調に滑り出しました。さらに彼女たちのアイディアも取り入れ、子ども会や保育所、自治体などの公共 サービスの皆さんには割り引いて提供するようにしたところ、これも好評をいただきました。
　次なる彼女たちのアイディアは開店時間でした。亘理から町外に出かける人が、おみやげを買う時間帯に合わ せ、10時開店ではなく9時開店にという提案でした。これも受け入れた所、読み通りこれから町外へ出かけようと いう人がおみやげの購入のために来店していただけるようになったのです。
　このようにスタッフのアイディアをどんどん生かせる小規模店の良さを生かして、順調にやってまいりましたが、 2011年3月11日の地震で当店は「大規模半壊」という状況に陥りました。

■現在の活動内容

　店はめちゃめちゃでした。その時は再起など無理であるように感じられましたので、一度はこの商売を辞めるつ もりでいました。しかしありがたいことに多くのお客様から励ましの声をいただき、思いとどまりました。
　私たちは店の再起に向けて、2ヶ月後の5月に動き出しました。まずは避難所に少しでも甘いものを届けようと考 え、ケーキを作って運びました。あの頃ケーキは贅沢品でしたから、大変喜ばれました。
　7月には店の再開にこぎ着けました。国や自治体の援助もあり、お菓子もフルラインナップでの復活を果たすこと が出来ました。しかし何よりも地元の皆さんの声援があったからこそ、店を復活させることが出来たと、今でも思っ ています。再開後訪れたお客様の中に涙を流して喜んでくださる方もいらっしゃって、私の作るケーキが喜んでい ただけているのだと、自信を深めることもできました。
　また新しい出会いもありました。県内外から支援のために亘理を訪れたボランティアの方々です。店を開けてい るがまばらだった2011年当時、ボランティアの皆さんが地元に戻るときにおみやげを購入していただき、その後リ ピーターになって下さっているのです。それは例えば神戸の大学生だったり、神奈川の商店街の方だったりと様々 です。神奈川の商店街の方とのつながりのおかげで、県外のイベントにも参加させていただく機会もありました。

■ 活動の将来展望

　震災を乗り越えたお店ですから、亘理といえばリモージュと言っていただけるような店にしていきたいですね。
周囲の皆さんの協力のお陰で、ちょっとずつですが知名度が上がりつつありますので、これからもっと頑張ってい かなくてはなりません。
　そのためにはこれからもっと地元のいちごを使っていく必要があると感じています。
　やはり全国的に亘理にはいちごのイメージがありますので、当店もいちごのシーズンには売上が伸びます。御存 知の通り、震災以降は亘理のいちごは出荷数が大きく減少していましたが、復興の努力が実って来年（2015年） には生産が本格化し、出荷数も回復していく予定です。私たちもしっかりと地元のいちごを使ったお菓子で地元に 貢献していきたいと考えているのです。

■　プロフィール

■　会社概要